ミルコの趣味雑談

趣味を持つ事は大事です。始め方や、道具を揃えることなど雑談です。

格闘技と武道と趣味vol15~趣味への目覚め~

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《趣味への目覚め》

転職前の仕事の話は、サラリーマンとしてのレールに載った状態でそれなりに順調だった。家庭は子供も幼稚園に通い、近所付き合いも出来てるようだった。平塚に住んだが、選んだ南海岸通りは昔からの商店街と湘南海岸沿いで、ほのぼのとした田舎を感じるところであるが、駅まで歩いて10分程度で途中に河野洋平邸がある良いところだった。戦後この辺りは結核の保養所になっていたと言うから、のんびりした風情がよく判る。

半年程して住まいも落ち着き、時間に追われる状態から、上手く調整できる余裕が出た頃、横浜に出て来た大学時代にバイトで知り合った武蔵野美術大学の人が油絵の見方を教えてくれたことを思い出した。彼女は絵の見方を教えてくれた。どんな絵が良い絵なのかは本人の感性次第だが、見るべきところを知ることは新鮮で印象に残っていた。

絵の売買価格は絵の大きさに比例するので、大作と言われるものは大体かなり大きく、高い。それだけ全体の構成から、描くのに画力が必要だと言う事だろう。余談だが、オークションなどでは、家に飾る丁度良いサイズF10~12号以下が良く売れるので、F50 号以上とかになると、買い手も少なく、意外と安く買える。飾れるスペースがあればお宝として買ってみたら良いと思う。

《絵の鑑賞》

その絵を理解するには、時代背景や、画題、思想などによっても価値が付加されるからその画家の前後の作品を鑑賞するのが大いに役に立つ。

また、絵は光の加減で発色やイメージが変わるので、実際の絵を見ないと細部の描写や、全体の画力も伝わらないから、名作は実際に見る事でした本当の良さは伝わらない。

これも余談だが、POPアートとしてラッセンやヒロヤマガタのシルクスクリーン版画の展示販売会場で、朝の光、日中の光、夕方、室内光で見え方が違うので、ポスターと版画では、基本的に違うと説明されるが、確かにその通りだ。ちょっと高くても家に飾って、何時でも違った感じで同じ絵が楽しめ生活空間にアクセントができる。都会ではこのちょっとした豊かさが求められるから、よく売れるんだろう。

東京は有名な画家の展覧会が頻繁にある。施設も東京国立近代美術館東京都美術館サントリー美術館東京都現代美術館等いくらでも美術館はあるし、百貨店ではメイン商材だから、四六時中展示即売会などもしている。(ちなみに、美術館の数は全国NO.2の88館、なんと全国NO.1は長野県)

西洋美術では、宗教色の強い中世美術から、フランス革命以降の「新古典主義」、「ロマン主義」、から「写実主義」、「自然派」が画家の展示会はよく開催される。知られるところでは、ダヴィッド、アングル、グロや写実・自然派ではドーミエ・ミレ・クールベ・ミレー・ルソーとかだが、彼らも前時代の様々な新潮流の中で新たな主義を技法に発展させている。そこに歴史がある。展覧会の案内は電車の中刷りや駅の壁にポスターをよく目にするので、品川から山手線内で開催している。その気があれば、ちょこちょこ行って見れるチャンスがあるので、首都圏に住むのであれば、このような恵まれた環境を活用すべきと思う。

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《美術から音楽に》

美術に興味を持ちだすと、時代背景的にこれらの芸術家を刺激したクラッシックの巨匠たちにも興味が出てくる。絵も音楽も実はお互いに刺激しあった一体のものであった。首都圏では17世紀にのバロック音楽から1750年頃からの古典派音楽、続くロマン派音楽のファンが多いので、バッハ、ハイドンモーツァルトベートーヴェン等のコンサート等毎週どこかで開催されている。地方ではこの数は多さは望めない。

考えてみれば、音楽家首都圏に多く住んでいる。楽団も多いし、ステージも多く、開催すれば、それなりに集客が見込まれる人口が集中している首都圏はソリストにとっても楽団にとっても、営業効率の良い場所だから、都市部での活動は当然と言える。しかも、音楽産業はどのジャンル、どの業務においてもソリストを必要とする。その為、掛け持ちもできるし、移動距離も短く時間・経費の軽減には最適である。だから、地方より、首都圏に居た方が収入が安定化し、よりよい生活ができると言う訳だ。

聴きに行きたいファンにもメリットがある。つまり、数が多くなるから、ファン層を広げ、より低価格でコンサートやイベントを行う様になる。ファンクラブも多く、囲い込みに企画にもメリットが多い。

私も、N響フレンドと言うNHK交響楽団のファンクラブに入り、月5000円の会員費用で、月に3回NHKホールで行われるコンサートに無料で入場できる会員になった。N響と言えば日本を代表する楽団で、公演も海外の有名指揮者を招くので、かなり質が高くコスパは断然良い。地方に居ては得られないメリットだ。東京での8年間で様々な有名交響曲を聞き、その歴史などへの造詣も深める事ができた。

《古典音楽は洋楽だけじゃない》

日本人なのに和楽器雅楽をあまり知らないと言うのもどうしてかと思えば、小学校から教えられるのは洋楽ベースで、楽譜も西洋のドレミファソラシドであれば当然だなと判った。武道は神道に繋がる、神社へも行くことがある。そこで聞く雅楽(よく聞くのは越天楽)には懐かしい郷愁と神聖さを感じるのは私だけではないだろう。初詣の神社では越天楽はつきもので、その音色がこびりついているのかもしれない。雅楽の器楽演奏を支えるのは笛として篥(ひちりき)、笙(しょう)、弦楽器として琵琶(びわ)、龍の姿に見立てられる13絃の楽器箏(そう)、国風歌舞に用いられる6絃の楽器和琴(わごん)、リズムを司るリーダー的役割の鞨鼓(かっこ)/三ノ鼓(さんのつづみ)等があり、独特な重厚感を感じる。

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芸術の性格として、音楽は時間を共有することで楽しむ芸術なのに対して、物があることで芸術を芸術家提供する芸術家(画家や彫刻家等空間に芸術を提供してくれる)は地方在住者が多い。作り出したものが動かせるものであれば、数週間どこかで展覧会に出展したり、百貨店やオークションで売って収入を得る事が出来るからだ。音楽と違いそこにあり、時間を問わず鑑賞できることが資産としての価値も出てくる。

自然な流れとしてN響コンサートに月3回通い、自然と有名な絵画が来ると美術館によく行った。「東京には仕事しに来た」と言う覚悟とは相反するようだが、全く矛盾せず、これが東京に居る時にだけ味わえる文化だと思っていただけに時間を無駄にしたくなかった。だから無理してでも行こうと言う気があったのだと思う。その分家に居る時間は通勤時間も差し引かれ、通常で8時過ぎにたどり着けば早い方なので、イベントに行けば12時前になるので、風呂に入って寝るだけでほぼ家族との時間は無かったが、家族間に不平も無くよく生活できたのは幸いであった。