ミルコの趣味雑談

趣味を持つ事は大事です。始め方や、道具を揃えることなど雑談です。

格闘技と武道と趣味vol16~趣味の多様化絵・音楽・陶芸~

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東京に出てきてから名画を鑑賞しに美術館通いしたり、N響フレンズになってN響ホールに定期的にコンサートを聴きに行ったりしたと首都圏でしか楽しめない文化的時間を費やしたと前回述べたが、今度は一生の趣味となる油絵を実際に描く事、自前で土を購入して練って、轆轤(ろくろ)引きして、焼成するまで一貫して陶器を作ることに至ったことについて語りたい。

陶芸に目覚めたのと武道の道につき進むのは、私の中では全く矛盾していなかったし、どちらが負荷になる事も無かった。仕事とプライベートのバランスの話をしたが、仕事その時その時でどれかを優先して来た訳だが、福岡に居る頃から仕事に関して言えば、食事もそこそこに徹夜で資料を作成したりすることも珍しくなかった。

だから、仕事に対する個人評価は高かった。道場に関しても体調不良で休むことも無かった。その合間に陶芸や油絵に没頭するのだが、一過性の興味は留まらずのめり込んで行った。

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ボブの絵画教室

油絵はたまたま、BS放送の「BOBの絵画教室」と言う海外教養番組を見たとき、小さいときの思い出が蘇ったことが切っ掛けだった。

この番組は30分程の番組内で、一枚の油絵を完成させると言うもので、使う道具もペイントナイフと2インチの刷毛筆と数種類の絵具(これはBOBが愛用する色で、バンダイキブラウン、クリムソンレーキ、ジンクホワイト、プルシャンブルー、イエローオーカー、ブライトレッドと数種類だけで仕上げるのだ。

下塗りも即乾性のジェッソを使って、下地処理して進める工夫もある。もしかして、このまま真似れば、油絵描けちゃうのではと信じ込んでしまった。

そして小学校の頃の同級生で、絵画教室に通っていた子がコンクールに油絵を出品して賞を貰ったのだが、後でその作品を見せて貰ったとき、「どこがいいの?」と思い、油絵ってどこが普通の水彩画と技術的に違うんだろう素朴に感じてモヤモヤしていたことが急に思い出され、早速画材屋に行って、ボブの絵画教室の初心者用のスタートセットを探し出して買ってきた。

そしてビデオに撮った録画を何度も見ながら、その通りに描いてみた。すると、思った以上にしっかりしたバランスの取れた絵が掛けてしまったのだ。

それからはこのシリーズのビデオを元に幾つも描いて、その手法や、イメージする色を作るのに混色する度合いや、薄め方を覚え、次に、模写に取り組んだ。実際の絵を復元することで、混色したり薄めたりして似たような絵が出来る事を経験した。

そうすると実際に描きたい人物や動物のモチーフの写真を絵に落とす手順や色の載せ方、筆の使い方が自然と判って来るのだ。

ノウハウものを読めば、必ずデッサンから入り、静物画を実物を見ながら書き続ける様な事が書かれているが、これは私にとっては遠回り感じてどうも馴染まなかったのである。

どんなに描かない時でも年に4回はテーマを決めて描いた。多いときは月に2枚書くこともあったが、油は一気に描き上げるのでなく、フェーズを決めて時間を掛けて乾かしながら、色を乗せていくのが、せっかちな自分には合わない様だったが、何度でもやり直しが利く所が逆に、そっそかしい自分の性格には納得できるまで出来るので合っていた。

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陶芸は小さい頃の泥んこ遊びを思い出す土との触れ合いがとても楽しい。作ろうと思えば人形から食器、装飾品まで好きな形に出来るのが魅力だ。手先が器用であった為、子供が喜ぶアニメや着ぐるみを紙粘土で作ってやった時に、彩色して良い物が出来ても、結局経年で劣化してしまうが、陶器は壊さなければ一生残るものである。

工芸品でもあり、芸術品でもあるので、様々な楽しみ方があるのだ。私は芸術品と言うより食器や器の様な工芸品を作りたかった。結局陶芸の原始形である土器はそもそも、器として作り始めた訳で、感性を問われる芸術品より生活に密着した使い易い食器や器を技を磨いて作りたかった。

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その為、価格の安い土をベースに磁器に近い高温で焼成して、白く薄くて丈夫な器を目指した。手で捏ねて作る”手び練り”も良いが、大量生産で同じサイズの物を短時間で多く作れる”ろくろ”引きが基本と考えている。その為の電動ろくろはシンポ製を選んだ、また自宅で焼くためには100Vで1200度以上まで焼ける電気窯を探した。

いろいろと探した結果100V二回線で二つのコンセントから電力を供給するタイプの極楽窯の一番大きいプロ135を購入した。30年程前で40万以上したが、いまだに仮焼(800度)・本焼(1225度)が出来る逸品である。

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今は色々ノウハウ本やビデオがあるが、当時はなかなか見つからず、細かい所作まで含め、実際の窯元に行くしかなかったが、運よく会社の同僚の親戚が福岡県の鞍手町と言うところで創作窯を開いていたので、弟子は取らないとは言われたが、見学と称して押しかけた。結局年に盆と正月の帰省の時には通って3年程いろいろと教えて貰った。

結局そんな頻度で本格的な陶芸が出来るレベルになる訳では無く、必要道具や材料を教えて貰い、少しずつ自宅で出来るレベルで買い集めたり、道具を自前で作ったりして、轆轤を買い、結局最終的に完成させる窯を買うまでには2年ほど掛った。

窯を買うと決めた時に、その陶芸家の方に言われたのは「窯に責任を持たないといけないよ」と言う事で、要は出来たものは捨てるにしても不燃物で処分も困る。売るには使えるしっかりしたものを作らなければならない。つまりは、基本から始めてしっかり売れるレベルになるまで”使えるもの”として使って貰えるまでやらないといけないと言う事だった。

購入して作り始めてすぐに言っている意味は判った。一回の焼成でコーヒーカップであれば14~16個位出来るが、家で使ったり、知り合いにあげても、余るのだ、上手になる為に数を作れば作るほど作品は増えるのだ。

どこかの店で売って貰えば良いが、そんな知り合いも無く、幸いにして、祝い事や、近しい友達や知人にプレゼントすると喜ばれたが、今はネットのフリマサイトや自作品を売り買いするアプリサイトで売ることで何とか消化している。

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使いやすい形と言う事で”マグカップ”や”盛皿”には自分なりのカタチが出来、買った方に喜ばれているが、これも何をどこまで作るかを今後も少しずつ変化を加えて行きたい。

これら全て趣味や武道が今の自分をバランスよく刺激し、一日一日を充実させていると感じるので、どこかでピリオドと言う事はないだろう。